エシカルジュエリー《ユリサトウ》Jリーグ栃木SCと共に足尾銅山跡地に植樹活動

2022年11月27日(日)、ジュエリーブランド《YURI SATO(ユリサトウ)》が、栃木SCと共に植樹イベントを開催した。

「心も環境も大切に、持続可能なワタシを愛する。」をコンセプトにNYで生まれたエシカルジュエリーブランド《YURI SATO(ユリサトウ)》。その収益の一部で植樹活動を支援することで、環境保全に注力している。

イベント当日は栃木SCのアカデミー生と保護者が参加し、NPO法人足尾に緑を育てる会の指導の下、学習センターの見学と植樹を実施。ジュエリーの材料の一つでもある銅採掘のために荒廃してしまった足尾の山々を背に、かつて鉱毒事件があった足尾銅山跡地近辺で復旧活動をしている団体と共にその想いを樹木に託した。

 


エシカルジュエリー「YURI SATO」

ジュエリーの材料である金属やダイヤモンド採掘の裏側には、今も環境汚染、鉱夫の健康被害や劣悪な労働環境、児童労働、資源をめぐる紛争勃発など色々な問題が潜んでいる。《YURI SATO(ユリサトウ)》では新しく鉱山から金属や宝石を採掘するのではなく、都市鉱山※1素材を活用した再利用ゴールド、シルバー、ダイヤモンドを使ってジュエリーメイキングをし、今ある地上資源を有効活用する”循環型ものづくり”を推進。

またジュエリーメイキングを通じてより大きな循環の輪を生み出せるように、収益の一部で緑化活動を行っている。現在はジュエリーの材料としても使われている銅の採掘により環境破壊が進んでしまった足尾銅山跡地で植樹活動をしているNPO法人足尾に緑を育てる会を支援。

※1都市鉱山…都市でごみとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てたもの。そこから資源を再生し、有効活用しようというリサイクルの一環。地上資源の貴重な一つでもある。

YURI SATOのサステナビリティについて:https://www.yurisatojewelry.com/sustainability

 


ブランドミッション「緑化活動」

《YURI SATO(ユリサトウ)》ではK18ゴールドやシルバーを使用してジュエリーを制作しているが、その割金として銅も使用されている。銅採掘によってもたらされた環境破壊は、他人ごとではないと考えるデザイナーは、今ある地上資源を有効活用したものづくりだけではく、収益の一部で足尾地区への植樹活動を支援。足尾をはじめとした資源採掘によって、かつて人が環境破壊をしてしまった地の復旧活動はブランドミッションのひとつ。

 


足尾銅山鉱毒事件と復旧作業

緑が失われた足尾の地に木を植えているボランティアの方々(NPO法人足尾に緑を育てる会のホームページより)

20世紀初頭、日本の銅産出量の40%ほどの生産を上げる大銅山にまでなった足尾銅山。しかし精錬時の燃料による排煙や森林伐採、精製時に発生する鉱毒ガス、排水に含まれる鉱毒によって、付近の環境に多大な被害をもたらすこととなった。以前は緑豊かであった足尾の山々は禿山と化し、ついには日本初の公害事件として有名な足尾銅山鉱毒事件が発生。

足尾地区では国や県などの関係機関による復旧事業が約100年前から続けられている。そして「NPO法人足尾に緑を育てる会」もかつての美しい自然を取り戻そうと積極的に植樹活動を行っている団体の一つ。

同NPO法人では1996年に発足してから、のべ280,033本もの木が植えられてきた。多くの人の努力により徐々に緑が取り戻されつつあるが、現状失われた緑はまだ50%ほどしか緑化事業が施されていないそう。ひとたび破壊された自然の回復には、非常に長い年月を必要とする。

 


里山の環境問題に関心を持てるきっかけに

一人一本のどんぐりの苗木を植えている様子

体験植樹イベントではこどもたちに実際に木を植えてもらうことで、自然環境を大切にする心を育んでもらいたいと考えている。そこで地元のJリーグサッカーチーム栃木SCにイベント共同開催を提案し、同チームのアカデミー生とその親御様に参加してもらう運びとなった。

イベント当日は、まず環境学習センターで足尾地区の歴史や足尾銅山公害事件について学習。同施設には、鉱害や緑化事業の歴史などの写真資料が展示されているほか、マジックビジョンやミニシアターでは映像で松木渓谷や足尾に関する情報が提供されている。展示資料についての説明を積極的に聞き、質問をしている子どもたちの姿が印象的。

イベントを通じて、地元のこどもたちが里山の環境問題に関心を持てる機会を提供できればと願っている。

 


今後の展望

《YURI SATO(ユリサトウ)》は緑化活動の取り組みとして、今後も引き続き栃木SCとイベントを開催していく予定。回を重ねるごとに規模の拡大も検討している。

今回のようなイベントを通じて地元の方々のみならず、より多くの人々に環境問題に対して関心を持ってもらえる機会創出をしていきたいとデザイナーは考えている。

 


SATO YURI | Founder / Designer / Craftsman

東京のジュエリー会社でデザイナーとして勤務。​2015年にニューヨークに移住。ジュエリーデザイナーのNIIKURA NORIAKI氏に師事し、デザインのみならずジュエリーメイキングを学び、自ら製作を行うようになる。​ニューヨークで「YURI SATO JEWELRY」をスタート。日本帰国を機に、「いまここにあるものを大切にする」ことをモットーとしたブランドフィロソフィーを確立し、2021年同ブランドを日本で再スタートする。

HP | www.yurisatojewelry.com
Instagram | @yurisatojewelry


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