現代の女性にプリミティブな感性を呼び起こさせる SIRI SIRI (後編)

日本の工芸技術や美意識をベースにコンテンポラリーなジュエリーを展開する、SIRI SIRI。JEWELRY JOURNAL 初登場にあたり、ブランドの出で立ちやそのクリエーションなど、デザイナーの岡本菜穂さんに伺った。前・後編の後編です。前編は、こちら

JJ:
記念アイテムのデザインでは、新しくもSIRI SIRI らしい形が生み出された、ということですが、このように最終的なディテール含めた形が決まるのには、何かルールがあったりしますか?

岡本:
ルールというのはなくて、そうですね、1mm単位で、驚くほど雰囲気がかわってくるので、素材感・色も含めて、その時、その時代の空気にあわせて、バランスを取ってディテールを決定するということを無意識にしていますね。

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JJ:
時代にあわせて!ということは、けっこうアウトプットされる形も、変わってきていますか?

岡本:
その時の流行に合わせてテイストを変えるということはありませんが、アウトプットの仕方は変化しているかもしれません。最近はジュエリーをつけるにあたって元になるファッションが何でもありという雰囲気になってきているので、私自身が素直に思ったものをつくって出してもいい時代になってきているようには感じます。

JJ:
時代にあわせることだったり、冒頭で伺った伝統工芸という要素へのアプローチだったり、、岡本さんって本当に自然体ですよね、素直、というのかな。自分の存在に向かって通り過ぎていくものは許容して、その中で自分の好きなもの、気持ちのいい方へ進んで行くっていうか。だから、最終的に目に見えてくる形が潔く美しく、幅広い層のお客様が惹かれるのかもしれません。

岡本:
ありがとうございます。

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リズムを交換する マリッジリング

JJ:
昨年には、本格的にマリッジのラインもスタートされたようですが、こちらはどういったコンセプトですか?

岡本:
シンプルなリングもSIRI SIRI らしいデザインで展開しているのですが、このコンセプチュアルなシリーズが、こちらです。

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岡本:
このスケッチブックに、夫婦になるおふたりに、それぞれ円を好きなだけ描いていただきます。円を描くと、一番その人のリズムがでやすいと感じていて。その中から、1つSIRI SIRI がライフスタイルから適した円を見つけて、それを外周にリングを一点ものとしておつくりします。それを交換するんです。相手が描いた円=リズムを自分が身につけ、一緒に歩んでいくというのがコンセプトです。結婚って、そういうことですよね。

JJ:
素敵なコンセプト!リズムが目に見える形になって、相手と共有することが出来るなんて!息遣いを大切にするというか、普通であれば口説くなりそうな試みを、SIRI SIRIのデザインが融解して、ごく自然な雰囲気に落とし込まれていて素敵だと思います。

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SIRI SIRI というブランドから色々な要素を打ち出していきたい

JJ:
マリッジのライン、籠バッグなど、これまでに展開されてきたアイテムとはまた違ったものを発表されてきていますが、今後、取り組んでいきたいことや、構想していることはありますか?

岡本:
具体的に動いているのは、ファブリック系のファッション小物・・・ショールだったり、やってみたいのは下着ですかね。あとは、ぐっとライフスタイルに寄りますが、香りにも興味があります。やっぱり身に纏うものがいいですね。

JJ:
SIRI SIRI が展開するショールだったら、フォルムはシンプル、素材感が独特で、ディテールに装飾が施されているのだと思うので、すごく楽しみ。早くお披露目されないかな。

岡本:
待っててください笑。やっぱりジュエリーブランドにとどまらず、SIRI SIRI というブランドから色々な要素を打ち出していけたらいいなとは、常々思っています。セレクトショップ的なこともいつかやりたいですし。

JJ:
岡本さんのセンスが大好きなので、それも楽しみです。

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岡本:
あとは・・・きちんとデザインされたホテルとか!あるものが、街に影響を及ぼして、デザインが世界を救う、じゃないですけど、そういう街づくりにも、興味があるかな。これからが自分でも楽しみです!


クールな見た目とは裏腹に、始終笑顔がこぼれる気さくさと物事の本質を柔らかに受け止める姿勢をお持ちの岡本さんへのインタビュー、とても気持ちのいい時間でした。潔く研ぎ澄まされたシンプルなデザイン、随所に見られるそのコレクションにあわせて調整されたディテールが実現するのは、岡本さんのバックグラウンドで培った意思決定の速さの表れであるとも感じました。

SIRI SIRI のジュエリーは、アトリエショップおよび下記JJ内アーティストページに掲載されている取り扱い店舗にてご覧いただけます。また、文中に掲載の記念アイテムをご覧いただけるイベントに関してはこちらよりご覧ください。

interviewd by Hiromi Midorikawa
photo by Yuka Yanazume
SIRI SIRI:http://sirisiri.jp/
Jewelry Journal Artist Page:http://www.jewelryjournal.jp/brand/sirisiri/


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