未来を見据えたサステナブルなジュエリーブランド – 前編


最近よく聞かれる「サステナブル(sustainable)」は、英語で「持続可能な」という意味。環境・資源・エネルギー・貧困・教育・人権などの課題を解決し、未来の世代に少しでもより平和で美しい環境やその恩恵を享受できる社会をつくろうという想いが込められています。

今後も人類が豊かに暮らしていけるようにと、基盤を見直し改善するという壮大なアクションに世界各国が取り組んでいます。国レベルの大きな動きと捉えがちですが、実際には個人一人ひとりの姿勢や日常の積み重ねが大切。それはジュエリーの世界でもいえること……。今回は、サステナブルなものづくりに取り組んでいるブランドをご紹介します。


 

Selieu(セリュ)》発色の良さも魅力、国内自給のピッグスキンでジュエリーを提案

日常のささやかな自然をモチーフに、東京の名産であり、暮らしの副産物である豚革をメインに使用したジュエリーを展開している《Selieu(セリュ)》。東京の墨田区で加工、染色された豚革は、国内生産量の9割を占めています。柔らかく耐久性があり、発色の美しさが魅力で、レザーの中でも国産でまかなえる唯一の資源です。《Selieu(セリュ)》は、歴史ある地域資源の活性化に尽力しながら、ジュエリーとしての新しい革の可能性を提案しています。

素材となる豚革は、ニュアンスのある発色も可能


冬に咲く植物をテーマにした「Snow drop」シリーズ。真っ白な可憐な蕾の小花と、優しい色合いのニュアンスグレー色のパールの組み合わせ。


深赤が美しい夕焼けからインスピレーションを受けて誕生したという新作「AKANE」シリーズ。


海の透明感溢れるゆらめきがテーマの「Marine」シリーズ。爽やかな3色のお花と透明度の高いホワイトトパーズを組み合わせています

Selieu(セリュ)》のジュエリーはSelieu ONLINE SHOP、またはNew Jewelry ONLINE STOREでご購入いただけます。


 

DD:WW(デュー)》小径木の生きた証を繊細なジュエリーに昇華

木材の新しいテクスチャ[INHERENT:PATTERN]を用いたコンテンポラリージュエリーを提案している《DD:WW(デュー)》。「木は生きている素材」であることを伝える活動として、2013年より始動。森林の間伐の際に廃棄される小径木(製材用のサイズに満たない細い木材)の木材に独自加工を加え、ジュエリー(DD:WW)や時計(OO:WW)や建築金物(FK:WW)を展開しています。木材の魅力を独自の視点を通して伝えているブランドとして、国外からも注目を集めています。

[INHERENT:PATTERN]のInstagramでは、5月20日(森林の日)から「パターン採集」と名付けて道端など身近な場所に息づく植物の魅力を紹介。この日々の発見を通してジュエリーやテキスタイル、プロダクトへと展開を予定しています。

材による表情の違いを検証するスタディより(左:加工後、右:加工前)


木材の繊維の着色表現のスタディより


Necklace Red Gradation etc.


Brooch Red Gradation(M) Yellow Gradation(S)

DD:WW(デュー)》のジュエリーはDD:WW ONLINE SHOP、またはNew Jewelry ONLINE STOREでご購入いただけます。

 


 
これまで廃棄されていたり、見過ごされてきた素材をジュエリーに仕立てているブランドをご紹介しました。「未来を見据えたサステナブルなジュエリーブランド – 後編」でも引き続き、持続可能な生産や環境保全に少しでも貢献しようと働きかけているブランドをご紹介します。

デザインの魅力もさることながら、ジュエリーが完成するまでの背景や物語を知ることは、そのモノに対しての愛着ももたらしてくれます。持続可能な消費という面でも、サステナブルなジュエリーブランドを選ぶことは未来へのアクションに有効です。


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