2025年7月12日(土)〜7月27日(日)の期間、gallery deux poissonsにて《Mart Boan(マルタ・ボアン)》の個展「Limit」が開催されます。
伝統と革新のバランスを大切にするマルタ・ボアン
リズミカルに描かれたドローイングの線のように、どこまでも軽やかで繊細なマルタ・ボアンのジュエリー。ギャラリードゥポワソンでは2018年の個展以来、ゴールドのシリーズや、スチール素材に色鮮やかなパウダーコートをのせたシリーズ等をご紹介し、人気を集めてきました。
一見大らかで天真爛漫にも見える作品の背景にはさまざまなリサーチや試行錯誤があり、常に伝統と革新のバランスを大切にしています。
現代の技術も使いながら、ジュエリーには手仕事の側面が不可欠であると考えているマルタにとって、テクノロジーと職人技の融合が制作におけるアプローチの鍵。ベクター・デザインから始め、レーザーカットを平面に施し、伝統的なジュエリーペンチで作品にボリュームを与えています。
100点余のボリュームの新作登場
展覧会タイトル「Limit」とは、物質そのものの限界を考えるというマルタ自身の現在のテーマ。
これまでずっとゴールドの限界に挑み、その特性を活かして、伝統的なクラフトの可能性を覆すような作品を制作したいと考えてきました。そして、今あらためてジュエリーを再考するために、さまざまな金属とフォルムの間に対話を生み出すことを試みています。
新作「Limit」シリーズのリングやピアスでは、伝統的な技法であるフィリグリーやグラニュレーションを現代的に解釈したような、1~2ミリの円という反復的な要素をレーザーカットで加えることで、単純な装飾的要素ではなく、作品の構造の一部となるようにしています。小さな円が4つ、6つ、8つと規則的に並び、ミニマムでありながら目を惹く存在感を生んでいます。同じデザインのリングを、ゴールド、シルバー、ステンレススチールでバリエーションを展開。
また、シグネットリングを線で表現した「Signet -line」シリーズなど、ステンレススチールに白や赤のパウダーコートを施したリングは、研磨、塗装、酸化、レイヤーの除去などの処理によって素材のコントラストを際立たせ、グラフィカルな面白さが感じられます。
そのほか、いくつかのシリーズのピアスやネックレス、ユニークピースであるブローチなど、100点余のボリュームで新作も発表。
身に着ける人の個性に寄り添うマルタ・ボアンのジュエリー。初日にはスペインよりマルタ本人も来日し、レセプションが行われますので、ぜひ足を運んでみてください。
Mart Boan Exhibition “Limit”
日時:2025.7.12 sat. – 7.27 sun. 12:00-18:00 ※Closed Monday
オープニングレセプション:7.12 sat. 17:00-19:00
作家在廊日:7.12 sat. & 7.13 sun.
※在廊日時は変更する可能性がございますので、最新の情報はSNS、もしくはギャラリーに直接お問い合わせください。
場所:gallery deux poissons
住所:東京都渋谷区恵比寿2-3-6 1F
URL:https://deuxpoissons.com/exhibition/marta-boan-exhibition-limit/
お問い合わせ:03-5795-0451※会期中、一部の作品はONLINEからも購入可能。
(販売開始予定日時:7.16 wed. 12:00 – )
https://gallerydeuxpoissons.katalok.ooo/ja
Marta Boan | マルタ・ボアン
1976年スペイン・バルセロナ生まれ。バルセロナのEINA University, Master’s Degree in Research in Art and Designでファインアートとジュエリーを学ぶ。アーティスト・イン・レジデンスでの活動をはじめ、大学で教える傍ら各国で講演をするなど、ヨーロッパと日本を中心に活動。ギャラリーや美術館で展覧会を数多く行う。また、代表的なプロジェクト min は数々の賞を獲得している。バルセロナで175年の歴史をもつジュエリーショップ「ウニオン・スイサ」のオリジナルブランド「MISUI( ミスイ )」のジュエリーデザインも手がける。2018年にはアーティスト・イン・レジデンス〈PARADISE AIR〉で、日本に滞在してワークショップを開催し、ジュエリー作品を制作した。