懐かしい大切な感覚を呼び起こすジュエリー Pfütze

JJ:
はじめまして。ご夫婦でブランドのデザイナーをされているということで、どんなバランスか、興味津々できてしまいました!よろしくお願いします。

北・賀来:
よろしくお願いします。

JJ:
さっそくですが、おふたりでデザインをされている、というユニットの形、それも男性と女性で、という形態とのことですが、おふたりはジュエリーを作られる際など、明確な役割分担があったりするのですか?

北:
そうですね、まず、明確な役割分担、、というのはなくて、ふたりともがどちらもアイディアも出しますし、手も動かすし、、という感じです。実際手を動かす作業に関しては、彫金は僕がして、組む作業は賀来がする、というのは決まっています。

JJ:
例えば、新作をつくる場面だとすると、どうスタートするんでしょうか?

賀来:
まず、ふたりが気になったことをまとめたスケッチブックを元に、スタートします。そこから、今回表現したいのはこれだ、あれだと選んで、じゃあ形を作ってみよう、というところまでスケッチブック上で絵を描いたり、コンセプトになる言葉を集めていったりしてから、そのあとの進行を決めます。

北:
自然物をそのままモチーフにするので、とれるものは、本物から型をとるんですけど、思いついたときが、その植物が季節的になかったりして、そのときは季節を待ったり笑。季節はあっていても、なかなか咲いていない植物だったりすると、インターネットでひたすら調べたりして、本物を採取しにいきます。

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JJ:
!!!そうですよね。確かに、実物から取るとなると、季節・場所、なかなか、思い立ったらすぐできるわけではないですもんね、、、

北:
ぺんぺん草のシリーズも、自分の頭の中のイメージでは、そこらへんに生えてるものなんですけど、意外と公園に探しにいっても生えてなかったりして。でも、帰り道の道端に生えてるのに気がついたりして数日無駄にしたり、そんな地道なことをしたりもしてますね笑。

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JJ:
笑。ぺんぺん草だったり、雲のデザインだったり、自然物、とモチーフを決めているのはなにか理由があるのですか?

賀来:
例えばぺんぺん草だったら、誰しも一度は手で遊んだことがあったりして、なんとなく懐かしい大切な記憶として心の中にありますよね。そういう気づきというか、心に少し引っかかる感じの表現をしたいなと思うんです。

JJ:
確かに、これだけの種類の中に、必ず記憶の断片で心の奥がきゅっとなって気になるものが、見つかりますよね。アイディアが浮かぶときは、おふたりで一緒のものを見ていて、ということが多いのでしょうか?

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賀来:
一緒に暮らしていて、同じものを見て共有しているので、理解しやすいというのはあるとは思いますが、思いつき方は違うかもしれないですね。私は、いろいろ手を動かしていたり、素材を探していたりするときに、順々に形が明確になっていくことが多いです。

北:
逆に僕は、突然、こういうのがつくりたい!!!と盛り上がって、というケースが多いです。

JJ:
おふたりとも、アイディアの浮かび方は違うんですね。、賀来さんはエスキスデザイナー型で、北さんはひらめきアーティスト型というか。アイディアを出した方が、中心に制作していくわけですよね。

賀来:
そうです。デザインを実際はじめて制作を進めていくんですが、悩みはじめたら、すぐに確認できる、ふたりでやっているメリットはそういうところで感じますね。そもそも、お互いがこだわっている部分は別々にあるんですが、その部分では迷ったり悩んだりしないので。悩むところは、お互い補完できるところだったりするというか。

JJ:
価値観の理解があってお互いの感性を認め合っている上で、得意なところがお互いちがうことがうまく作用しているということですよね。すごく、素敵な関係性ですね。うらやましい笑。

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北:
なので、意外とすんなりというか、そういう意味ではうまく分担できているかもしれません。

JJ:
そもそも、おふたりがジュエリーを作りはじめたきっかけは、なんだったのでしょうか?
北:
そもそもは、別々に作っていたんですよ。元は、大学時代からのつきあいで、卒業して結婚したんですが、そのころはまさかジュエリーブランドをふたりでやるなんて思っていなかったです笑。

JJ:
そうだったんですね!なにかきっかけがあったんですか?

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北:
ふたりとも、それぞれ美大に通っていて、絵を描いたり、デザインをしたりはそれぞれがしていて。卒業後、ふたりで田舎に帰って、僕は美術の教師になったんです。そのときに、たまたま近所に彫金を教えている、という方がいて、そこにふとふたりで通いはじめたのがきっかけです。

賀来:
そもそも、私はジュエリーの、形の美しさと機能性の両方をデザインするということに興味があったので、やってみたかったんですよね。それで、個人的につくりはじめて、発表したりするようになったんです。身近なお店におかせてもらったり。

北:
僕もつくりはじめてからそれぞれが発表するようになって、ふたりである程度のことができるようになってきたときに、もっと世に出して行きたい、となって。どうしたらいいか、、と思って、2007年のルームスにブースを出しました。そして、個展をする機会を持って。

JJ:
そこから、自然とひとつのブランドとして新作を発表されるようになっていったんですね。私、実はその最初の個展、伺いました。鉢を使ったディスプレイがすごくおもしろくて、よく覚えています。

賀来:
白く塗った半球の鉢に、水面に見立ててアクリル板をはって、その上にジュエリーをディスプレイをしたんですが、ジュエリーよりディスプレイの方がインパクトがあって、少し反省しました笑。パッと目を引くことはさせたいけれど、小さな世界をちゃんと見てもらうって、どうしたらいいのかいつも考えて、いろいろゼロから作るのも、展示会の醍醐味です。

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北:
それで、次の展示会では、ジュエリーを引きたたせるディスプレイとして、本を使ったディスプレイをしたり。今も、次の展示会に向けて準備中で。無垢の木材を自分でカットしてやすって、ディスプレイに使うパーツも全部自分でつくるんですが。

JJ:
北さんは、アーティスト的思考というか、こういう世界観をつくろう!と思うと、ゼロから作り出すことにこだわりを強く持たれてることがわかります。

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北:
結局、誰かにお願いすると、かなり細かく伝えたりだとか、これはちがうあれはちがう、とやることを考えると、自分でやるのが一番なんです。

JJ:
それって、自分でできてしまうクオリティが、すごく高くていらっしゃるから為せる技だと思いますが笑。おふたりでいれば、表現に関してはなんでもできちゃうんだなと思います。

北:
ふたりで表現したいものの世界観に関してだからなんですよ、そうやって表現したりものをつくったりすることができるのは。それ以外の誰かのアイディアを、表現したりはできないですから。

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JJ:
ショーケースに並ぶジュエリーを単体で見るのではなく、せっかくですから、世界観ごと表現されているすべてを実際に見て感じていただきたいですね。

賀来:
そうですね。なるべく多くの方に立ち止まってPfütze の世界観を感じていただいて、懐かしい大切な感覚を思い出していただけたらと思っています。

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JJ:
若い方ももちろんはっときゅんとするでしょうし、お年を召した方も可憐な気持ちを思い出されて素敵に着こなされている。幅広く楽しんでいただける要素が詰まっていますね。次の懐かしい気づきと、世界観を表現するディスプレイ、どちらも楽しみにしています!

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デザイナーおふたりの感性のシンクロする部分、ふたりでいるからこそ幅が生まれある意味一つの世界として完成している空間で、心地よくお話を伺うことが出来ました。

interviewed by Midorikawa Hiromi
Pfütze:http://pfutze.com/


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