INTERVIEW

削ぎ落とされたデザイン ふるいにかけて残るシンプルなかたち SU

ベーシックな佇まいとバランスを大切にした、ジュエリーブランドSU(スウ)。
このインタビューは2014年6月にsu デザイナー スズキトモコさんにインタビューしたものです。

JJ:
今日は、よろしくお願いします。ずっと、ちゃんとお話したいと思っていました!SU のルーツから、教えていただけますか?そもそもジュエリーをやることになったきっかけなどあれば教えてください。

スズキ:
よろしくお願いします。きっかけ、、本当のきっかけっていうのが、些細なことなんですけど、ジュエリー作家の方のアトリエに訪れたときに、ぐっと来てしまったんですよね。

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JJ:
ぐっと、ですか。何にびびび、ときたんでしょうか。

スズキ:
そうなんですよね・・・何度も考えるんですけど・・・。元が、大学を途中で辞めて、桑沢デザイン研究所に入学して。インテリアを学んだのですが、卒業後に 紆余曲折後、植木莞爾さんの事務所に入ることができて。そこから、滝澤雄樹さんの事務所に移ったりしながら、インテリアのデザインをしていました。

JJ:
植木莞爾さんのデザインするインテリアって、シンプルで削ぎ落とされたデザインですよね。昔に発表されたものも、本当に古くならないし、デザインに時の流れを感じないというか。本当に普遍的。

スズキ:
そうなんです。昔の日本には珍しい感じのデザインをしてきた人だと思うんですけど。そういうインテリアデザインの中にいて、日々図面や、縮尺の小さい模型 と向き合っていたので、実寸でのものづくりに痺れちゃったんです。手の中で、実寸でエスキスを重ねていけるボリューム感というか。

JJ:
なるほど・・・インテリアだと、まず実寸であーでもないこーでもない、することはないですもんね。

スズキ:
それ以来、ジュエリーをつくり出して、気がついたらブランドをはじめることに。

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JJ:
?!え?!すごい展開ですね。どこかで学んだりとか・・・?

スズキ:
そう、ほんとに自分でもまったく予想だにしていなかったんですけど笑。そういえば、ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在していたときに、彫金を習っ たりしていたもので、ジュエリーを作り出すこと自体はすんなりとスタートして。なんとなくやっていくうちにだんだん、インテリア図面を書いている時間と、 ジュエリーで手を動かしている時間とが半々になってきたんですが、そのあたりで主人に、厳重注意をされたんですよね。やるならやれ!と。

JJ:
現在、アートディレクションをされているご主人ですよね。

スズキ:
はい。主人はグラフィックデザイナーなんですが、はっきりと一度物申されて、自分でも考えて考えて、よし、ブランドとしてきちんと立ち上げて展示会に出そ う!と思って。今思えば背中を押してくれて本当によかったと思っています。元はと言えば、あんまり自分からどんどん進んでいくタイプではないので。おかげ で、10年前の自分では想像のつかないところに今来ています笑。

JJ:
決心されて、展示会をされたのが2011年ごろですよね。最初のころつくられたのが、このピアスですか?構造が美しいデザインですよね。インテリアのバックグラウンドがうなずけます。

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スズキ:
ありがとうございます。やっぱり、材質としては、ソリッドで、構造はシンプルに削ぎ落とされたデザインがすきです。植木さんの元でデザインしていたときの シンプルというのは、かなりいろいろ考えられてたくさんの線を重ねた上で生まれてきたものだったので、それも染み付いていると思います。

JJ:
当たり前にそこにあったように捉えられるシンプルがいかに計算されているか・・・。でもその工程や苦労を感じさせるのは、いいデザインとはいえないです し・・・。背景はどうあれ、ただ感覚的に、かっこいい・美しいと多くの方が思うことが重要ですよね。実際つくられるときは、どうつくられるんですか?

スズキ:
つくるときは、絵を描きますね。で、ある程度描いたら実際つくってみます。それから、どういうつくりだったら、どこから見ても構造がシンプルで美しいかを 何度も何度もエスキスします。置いて、いろいろな角度からよく見て。これだ!という形が見つかってはじめて、つけてみて調整して、完成します。

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JJ:
デザインのヒントは、どこから得ていますか?

スズキ:
特にデザインソースがどこにあるというのではないんですが、毎日、スケッチブックを持ち歩いていて、なんでもスケッチするんですけど。そのスケッチにソー スが集まっています。好きな形や、ボリュームがあったらとにかくスケッチ。言葉とかメモをまったくしていないので、何を描いたのかはあとから見たらわから ないこともあるんですけど、でもペンの線の強弱で、どこが気になったかということはわかるので、それをヒントにします。

JJ:
ボリューム感を自分の体に捉えておくためにスケッチしておくって、すごくいいですね。気になるものって、日々変化していきますか?

スズキ:
そうですね、やっぱり自分の中で流行もあるし世の中の流行にも少しは影響されるんだと思うんですが、やっぱりすきなものはそんなに変わって何じゃないかな と思いますね。そういえばこの前、ずっと気に入って使っていたポットのハンドルがかけてしまって、木工の職人をしている知人に作りなおしてもらったのです が、そのハンドルが実際仕上がってきたとき、また痺れました。形もですし、素材感、重さ、肌触り。古いものと新しいものを比べて、どちらにも良さがあって わくわくしました。

JJ:
そのお話からも、まさにスズキさんの思考や好みが感じられます。シンプルに削ぎ落とされた、ソリッドなもの・・・。su らしさはそういうところですね

スズキ:
ジュエリーブランドとしてやっていくからには、「個性は何か」ということも常々考えているので、そこが個性になっているといいんですが。

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JJ:
自分のブランドの「個性は何か」と客観的に見ているところも、インテリアデザインのバックグラウンドを感じますね。空間ないしボリュームを、常に客観的に把握していないといけないですから。

スズキ:
そうかもしれませんね。ただ、やっぱりつくっているとどうしても見えなくなってくるときもあるので、カタログや写真など、アウトプットの部分では主人がアートディレクションをすることでsu が完成するところは、とても助かっています。

JJ:
スズキさんはやっぱり形には、絶対的な価値観があると思うので、そこに介入してくる存在としては、ご主人はあまりに絶妙な位置にいらっしゃいますよね。

スズキ:
自分の作品として出す以上、いやなものは絶対いや!とはっきりしてるんですよ、私。だから、確かに誰でもいいということではないですよね。これまで出している作品は、このブロシュアにまとめています。

JJ:
世界観としても、シンプルなデザインをうまく見せつつ、空気を有機的にしていく感じで・・・・ほんとにはまってますね。本当にいいコンビネーション!

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JJ:
新作について教えていただけますか?

スズキ:
新作は、この大粒のパールのリングのラインが新しいデザインなんですが。

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JJ:
きれいな形ですね。

スズキ:
ありがとうございます。これ、ただそこにある形もなんですが、つけるとすごーくかっこいいんですよ。

JJ:
こちらのリングも、きれい。まさに、ソリッドですね。シンプルで有機的なところが素敵です。

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スズキ:
重ね付けするのも、おすすめです。

JJ:
SU のジュエリーは、パールや天然石をつかってフェミニンな色使いになっていたとしても、過剰なジェンダーを感じさせないところが、かっこいいですよね。

スズキ:
実際、建築をやってる方だったり、デザイン関係の方だったり、あとは普段ジュエリーをつけないという方に気に入っていただくことも、多くあります。

JJ:
そうですね、なんだか、「形」というものにひとしきりこだわりのある方が出会ったら、「こういうの欲しかった!」と感じられるのかもしれませんね!

スズキ:
はい、物が好きな方はもちろん、いろいろなデザインを見られてきた方にもご覧いただきたいですし、ただそこにある佇まいが気になって!と仰っていただける全ての方に手に取っていただけたらと思います。

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ソリッドで、削ぎ落とされたデザインであるかどうか。コンセプトの文章としていただいた、「ふるいにかけて残るシンプルなかたち。」という一文が、形とともにすっとしみ込んでくるインタビューでした。

interviewed by Hiromi Midorikawa
SU:http://suuuuu.com/

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