2025年5月24日(土)〜6月8日(日)の期間、gallery deux poissonsにて《Jiro Kamata(鎌田治朗)》の個展「CELESTIAL EYES」が開催されます。
カメラレンズを用いた唯一無二のジュエリー
15年以上にわたり、様々なカメラレンズを用いて唯一無二のジュエリーを制作してきた鎌田の作品は、光を身にまとうことができるような装置。これまでに解体したカメラレンズは1000個以上で、数千にも及ぶレンズの形状に触れる中で、さながら人類のレンズ史を辿るような体験をしてきました。
その中で、レンズの中心に立体的なホログラムのような効果を生む特別な形に出会い、その瞬間、小さな宇宙をレンズの中に作り出せたような感覚を覚えたと言います。
「CELESTIAL EYES」の東京巡回展
今回の個展は、現在台湾のALIEN Art Centerで開催中の個展「CELESTIAL EYES」の東京巡回展として、出展されている作品と同シリーズの中から抜粋された作品によって構成されます。
本作「CELESTIAL EYES」シリーズは、作家にとって最も美しいレンズの形を探すところから始まりました。
これまで様々なブランドの使用済みカメラレンズを素材として扱うなか、やがて自分だけのレンズ形状を生み出したいという思いが芽生え、数年前からレンズメーカーと共同開発を進めてきました。オリジナルのレンズ素材には、光学的に最も透明度と硬度の高いラボラトリークォーツ(人工水晶)を使用し、裏面にはミラーや金、PVDコーティングが施されています。
さらに本作で印象的に使われているグリーンやピンク、オレンジなどの蛍光色が取り入れられているのも新たな試みです。(この蛍光色のもととなるリン(Phosphor)は、ギリシャ語で「光を運ぶもの」という意味を持ちます。)
“Celestial”とは、地球の外に広がる星々や惑星、銀河などを指す言葉。このシリーズは、天文学や神話的なイメージ、そして作家自身がオーストラリア・ライの海岸で出会った忘れがたい風景からインスピレーションを得て生まれています。
ライの海岸で見た夕暮れ、地平線に沿って弧を描く空のグラデーションと、夜空を覆う天の川を前に、「地球が球体である」という当たり前の事実を、身体感覚としてはっきりと意識したこと。その時の感動をレンズという形に結晶化させたものが本作品です。
本展では、リング、ペンダント、ブローチ、ピアス等、約50点の作品が発表されます。個展限定となる小ぶりでシンプルなペンダントもお目見えする予定です。
コンセプトのユニークさに加え、デザイン性の高さと造形の美しさに詩的な要素が併存しているのが大きな魅力。個々の作品の存在感だけでなく、それぞれの作品が並ぶことで小さな宇宙を感じられるような世界観を楽しめます。
Jiro Kamata Exhibition “CELESTIAL EYES”
日時:2025.5.24 sat. – 6.8 sun. 12:00-18:00 ※Closed Monday
オープニングレセプション:5.24 sat. 17:00-19:00
作家在廊日:5.24 sat. & 5.25 sun.
場所:gallery deux poissons
住所:東京都渋谷区恵比寿2-3-6 1F
URL:https://deuxpoissons.com/exhibition/jiro-kamata-exhibition-celestial-eyes/
お問い合わせ:03-5795-0451※会期中、一部の作品はONLINEからも購入可能。
(販売開始予定日時:4.23 wed. 12:00 – )
https://gallerydeuxpoissons.katalok.ooo/ja
Jiro Kamata | 鎌田 治朗
1978 年生まれ。1998 年に山梨県立宝石美術専門学校を卒業後、98-99 年フォルツハイム造形大学ジュエリー科に学ぶ。 2000-06年ミュンヘン国立美術アカデミーにてオットー・クンツリに師事、2006 年にマイスターシューラーを取得、修了。2009 年よりミュンヘン国立美術アカデミー、ジュエリー科で助教を務めた。ミュンヘンを拠点とし、アメリカやヨーロッパを中心に各国で精力的に展覧会を行い、新作を発表している。作品は、Victoria&Albert Museum(UK)、Stedelijk Museum Amsterdam(オランダ)をはじめ、数多くのパブリックコレクションに収蔵されている。