飾ること - Why decorate?

透き通る「鼈甲」の天然色

bekko1102子どもの頃にこっそりのぞいた母の宝石箱。
その中にあった鼈甲のブローチは可憐な花の形をしていたのを覚えています。
飴色のそれは、幼い私にも特別な品であることがわかっていたけれど、
亀の甲羅が原料だと知ったのはずいぶん後のことでした。
鼈甲の歴史は遡るととても古く、日本には飛鳥・奈良時代に中国から伝わりました。かの徳川家康公の眼鏡も鼈甲製だったとか。
亀の甲羅や爪などを複雑に加工してできあがる鼈甲細工。
どうしたらそんな方法を思いつくのか、恐ろしくさえ思えてきます。
人間があらゆる手段で美しさを追い求めるのは本能なのか、蜂蜜のように澄んだ黄金色の鼈甲を見ていると不思議な気持ちになるのです。

協力
江戸鼈甲屋
電話03-3636-3595

※現在ではワシントン条約によって原材料の輸入が禁止されているため、希少価値が高まっている。

CREDIT

Styling & Text : 井伊百合子
Photo: 森本美絵
Edit: 上條桂子

飾ること - Why decorate?

日常生活で、お祝いの場で、お悔やみの席で、人はいつの時代でも何かを身につけ、自らを飾っています。何故、人は飾るのでしょうか? スタイリストの井伊百合子さんにさまざまな「装飾品」を紹介していただき、モノと歴史、背景について語ります。写真は森本美絵さんです。